デジタルトランスフォーメーション(DX)の実現に不可欠なデジタルジャーニーとは?

企業がこの先も生き残っていくためには、新たなビジネスモデルを生み出し、常に変革していかなくてはなりません。そのなかでさかんに叫ばれているのが、「デジタルトランスフォーメーション(以下、DX)」です。しかし、DXは一朝一夕で実現できるほど簡単ではありません。解決すべき経営課題やルールの抜本的な見直し、経営者も含めて企業で働く人の意識改革が必要不可欠です。そこで注目されているのが、「デジタルジャーニー」です。デジタルジャーニーとは何か、その意味や求められる理由について詳しく解説します。

デジタルジャーニーとは?

DXという言葉を耳にしたことはあるが、デジタルジャーニーという言葉は初めて聞くという人も多いのではないでしょうか。まずはこの用語(DXジャーニーとも呼ぶ)の基本的な意味から紹介します。

DXには、技術を用いて生活や労働、会社の経営などを根本から変革するという意味があります。しかし、大局的な表現のため、イメージがわかないかもしれません。また、DXは、私たちの生活や会社、さらには世の中を根底から変化させるほどのインパクトを与えるため、短期間ですぐに実現できることではありません。

そこで、DXを実現するための過程を旅に見立て、段階的な変革の取り組みを表す言葉として生まれたのがデジタルジャーニーなのです。

高い目標を掲げて何かを実現しようとしたとき、取り組むべきことがらを拾い上げながら段階的に達成していくことが多くあります。大きな目標を細分化し、現実的に達成できそうなことから取り組んでいき最終的なゴールをめざす。これはDXにもあてはまります。

デジタルジャーニーと聞くと難しい言葉に思えてしまいますが、実は非常にシンプルな考え方といえるでしょう。

デジタルジャーニーが求められる理由

企業にとって大きな変革であるDXは、単なる組織改革や新規事業創出といったレベルとはまったく次元が異なります。極端な例では、これまでのビジネスモデルを否定しなければならない場合もあります。たとえば、モノをつくり売っていた製造業が、それまでの売り切り型のビジネスモデルから脱却し、サブスクリプション型のサービスを提供することもありえるでしょう。

しかし、このような大変革を実現するためには、収益構造を見直してプラットフォーム化したり、現場のオペレーションを大幅に改革したりしなければならないことも多いのです。社内だけで解決すべき問題ではなく、取引先や顧客など社外にも影響がおよぶことは大いにありえます。

DXが単なる組織改革や新規事業創出ではないといわれるのは、一過性の取り組みではなく、長期にわたり継続的に取り組む必要があるためです。言い換えると、たくさんの課題の解決に長く取り組むということでもあります。企業によっては、何から手をつければよいのかわからない場合もあるでしょう。DXを実現するには、漠然と課題に取り組むのではなく、段階的に課題を解決していくことが求められるのです。

課題解決への取り組み方が、長い旅路(ジャーニー)にも見立てられることから、デジタルジャーニーと呼ばれています。DX実現のための課題を整理し、着実に段階的に達成していくために、デジタルジャーニーという考え方は非常に重要です。

DXの実現に向けて

DXの実現はほとんどの場合、一筋縄ではいかないケースが多いものです。さまざまな課題や障害を乗り越えてDXを実現し、業界を生き残っていくためにはどのような取り組みや考え方が重要になるのでしょうか。

ゴールの設定

DXの実現のためにデジタルジャーニーは必要不可欠な考え方ですが、前提として明確なゴールを定める必要があります。ゴールとは「DXを実現しどのような会社に生まれ変わるのか」であり、企業によって多種多様です。これまでのビジネスモデルから転換し革新的な商品やサービスを開発する、他社と組んで新たなビジネスを展開するなどが考えられるでしょう。

デジタルジャーニーは、DXを実現するための過程にすぎません。目的地とするゴールを明確に定めておくことがもっとも重要です。

一朝一夕で実現できるものではない

DXはあまりにも大きな変革であるため、どれだけ入念に準備していても、想定外のトラブルや課題に直面することがあります。しかし、これは大きな変革を実現するうえで避けては通れない道です。トラブルや課題を解決するためにはさまざまな試行錯誤を繰り返し、長い時間をかけて進んでいかなければなりません。

実現不可能と思われる、時間やコストがかかりすぎるといった理由で断念してしまうケースも少なくありません。しかし、DXの実現をあきらめることは、企業の成長が止まってしまうことも意味します。

DXは一朝一夕で実現できないというのが大前提です。大きな課題が出てきても「できない理由」を見つけてあきらめるのではなく、「実現できる方法」を検討しながら進めていくことが重要です。

変化をおそれない

DXに限らず、変化していくことは困難で一見リスクが大きいと考えられがちです。しかし、変化をおそれて現状維持のままのほうが、より高いリスクを伴うこともありえます。

特にデジタル化が進み、これまでのビジネスモデルが大きな変革を迎えようとしている今、現状維持は企業の成長を停滞させてしまうことになります。ビジネスのスピードは以前に比べて確実に増しており、成長を放棄してしまった企業が淘汰されていくのはいうまでもありません。

明日からビジネスモデルを180度転換させることは現実的ではないものの、デジタルジャーニーの考え方に沿って、徐々に会社の舵をきって変化させていくことは重要な考え方といえるでしょう。

今後テクノロジーによって大きな変革がもたらされる

スマートフォンの登場やクラウド技術の発展など、これまでも大きな変革はありました。しかし、今後はAIやIoT、5Gといったさらなる技術革新により、これまで以上に大きな影響を与える変革が待ち受けています。技術革新の流れにうまく乗り、新しい時代にマッチしたビジネスモデルを構築していくことがDXであり、その行程がデジタルジャーニーなのです。


参考:

関連記事