人手不足解消と従業員の負担軽減を実現するテレワークとRPA

人手不足解消と従業員の負担軽減を実現するテレワークとRPA

多くの業種で人手不足が顕在化してきている現在、これまでと同じペースで業務を進めようとすると、問題となるのが従業員の負担増です。今年は、五輪開催を控え、首都圏では例年以上に交通網の混雑が激しくなるとの予測もあり、テレワークの導入を検討している企業が増加しています。さらには新型コロナウイルスなど感染症の流行により、テレワークの重要性がより叫ばれています。しかし、単純にテレワークを導入すれば、従業員の負担が軽減されるというわけではありません。そこでこの記事では、テレワークの導入事例を紹介しつつ、業務軽減を実現させるRPAの活用方法についてお伝えします。

テレワークが人手不足解消や従業員の負担軽減に効果を発揮する理由

テレワークを実施することで得られるメリットはさまざまです。特に人手不足解消や従業員の負担軽減効果は大きく、具体的には次のようなメリットが考えられます。

  • 多様な働き方の実現

従来であれば、育児や介護、療養などの理由で退職せざるをえない従業員でも、テレワークであれば継続して働くことが可能です。これにより、退職による人手不足を防ぐことができ、さらに人材採用や育成にかかるコストを大幅に削減できます。

テレワークでは週1回や月数回、オフィスに出社するケースもありますが、完全在宅勤務が可能な業務であれば、会社の所在地にかかわらず、全国から優秀な人材を集めることもできます。このように、テレワークにより多様な働き方が実現します。

  • 従業員の身体的負担の軽減

テレワークが導入されれば、通勤にかかる時間がゼロになります。特に大都市圏の通勤ラッシュを考えれば、これだけでも従業員の負担は大幅に軽減されるといえるでしょう。さらに、最近では感染症の拡大防止にもテレワークが大きな効果を発揮すると期待されています。

実際に、2020年1月26日、インターネットインフラ事業やインターネット広告、メディア事業などを行っているGMOインターネット株式会社(以下GMO)では、新型コロナウイルス感染拡大に備え、期間限定の在宅勤務体制を発表。早速、1月27日より中国からの観光客が多く集まるエリアの拠点となる渋谷・大阪・福岡のオフィスで開始しています。

NTTグループも2月14日、新型コロナウイルス対策として、テレワークの積極的な活用を傘下の各事業会社に呼びかけており、同月17日には、クラウドファンディング事業を行っている株式会社CAMPFIREも、期限未定で全面的な在宅勤務体制への移行を発表するなどその動きは拡大しています。どの企業ももともとテレワークの制度が整っているという前提はありますが、それでも今後は従業員の体調面を考慮する意味でのテレワーク活用が増加しそうです。

  • 自然災害、イベント時の交通網混雑対策

2020年は五輪の開催による交通網の混雑が予測されています。また、近年、台風、豪雨など自然災害が増え、公共交通機関の予告運休も行われるようになりました。しかし、そうした事情で出勤が困難な状態でも、在宅であれば問題なく業務が行えます。

すでにテレワークを導入している企業事例

人手不足解消、従業員の身体、精神的負担軽減に大きな効果を発揮するテレワーク。もちろん、導入にはいくつかの壁もあり、その解決がされなければ導入に踏み切れないといった企業も少なくないでしょう。そこで、すでにテレワークを導入している首都圏の企業の事例から、どういった方法で障壁を乗り越えたのか、どのように人手不足解消や従業員の負担削減をしていったのかを見ていきます。

事例① 申請の簡素化とファミリー交流で助け合い精神を育むことに成功

東京の神田に本社を置き、映像配信や情報配信のためのシステム構築、組み込みソフトの開発を行っている株式会社クナイ。通勤時間が1時間を超える従業員が多く、通勤ラッシュによる電車遅延が業務に支障をきたすことも少なくありませんでした。また、育児をしている従業員も多く、子どもの急な発熱やケガなどで業務を中断させ、他の従業員に引き継がなければならないケースも多く発生していました。そこで、交通網や家庭の事情に左右されず業務効率を上げることを目的にテレワークを導入したのです。

テレワークを実施するうえでの主な問題点は三つ。同社では次のような対応で問題解決を図り、大きな効果を発揮させました。

  1. セキュリティの確保

テレワーク導入と同時に全従業員にウイルス対策をしたノートパソコンを支給。さらにクラウド管理システムを併用し、セキュリティを確保しました。

  1. 手間をかけずにテレワークを利用できるようにすること

テレワークを導入しても、それを利用するための手続きが煩雑になると、誰も使えないものになってしまいます。そこで、同社では、テレワークによる業務開始を「メール報告のみ」とし、申請書提出といった手間をなくしました。

  1. 急な事情で帰宅せざるをえないときの臨機応変な対応

テレワークを行うには、周りの従業員の助けも欠かせません。そこで、従業員の不満がたまらないよう、年に1回ファミリーデーを設け、家族連れで出社する日を設定。従業員同士だけではなく、家族同士との関係性も構築することで、気持ちよく仕事を引き継げる環境づくりを行いました。

事例② 知識、経験を積み上げた従業員が長く働ける環境づくりを実現

東京の京橋にある、通販のコンサルティングを行うDCアーキテクト株式会社。同社は広告表現やWebコンテンツで薬事法を中心とした法律にかかわる表現について相談を受けることが増え、これに対応するため、2008年に薬事法広告研究所を新設。しかし、ここでの業務は、細かい作業が多いうえ、法律の知識や経験が必要なため、結婚・育児・介護などの理由で退職者が出ても、すぐに新しい従業員を採用・育成することが困難です。そこで解決策として、テレワークを導入しました。

導入当初、テレワークを行っている従業員との連絡手段はメールのみを活用。しかし、これまではオフィス内で口頭ですませていたこともすべてメールに置き換わったため、メールの整理だけで3~4時間かかることも。これにより業務効率が著しく悪くなってしまいました。そこで、スマートフォン対応のクラウド管理システムを導入。ID管理や閲覧権限の制限など、セキュリティを確保しながら、外出先や移動中の隙間時間でもメール閲覧が可能になったことで、業務効率の向上が実現しました。

さらに、メール以外にクラウド上に用意したアプリケーションでのチャットや、共有スペースでのデータ共有など、連絡手段を増やしたことも業務効率向上に貢献。基本的に社歴の長い従業員をテレワークとし、継続して働ける環境を整備しつつ、オフィススペースを拡充するコストをかけずに業務拡大の準備も進められるようになりました。

テレワークの効果をさらに高めるRPAの導入

さまざまな問題を解決しつつ、さらなる効果も生み出すテレワークですが、より高い効果を発揮させるには、業務の自動化が欠かせません。先の事例でも紹介したように、オフィスと在宅での連絡手段として、クラウドを活用することはもちろん重要です。しかし、連絡手段以外でも、顔を合わせないで完結させるようにしなくては、テレワークの効果を最大限に活用しているとはいえないでしょう。

例えば、ワークフローのなかで、最終的に書類に印鑑を押すことが前提となっていては、テレワークは機能しません。テレワークの導入には、ワークフロー自体のデジタル化も進めなければ、かえって手間がかかる業務が増えてしまうことにもつながります。そこで、おすすめなのがRPAの導入。ワークフローのなかのルーティンワークを自動化させることで、離れた場所にいたとしても問題なく業務の遂行が可能になるのです。

また、テレワークによって、働く人の場所も様々、稼働時間も様々という状況になると、メンバーの作業進捗状況の確認、リマインドメール、遅延している場合の督促メールなど、手動で行う場合は大変な工数がかかります。このような場合もRPAは役に立ちます。スケジュール管理ツールからメンバーの作業状況を読み取り、遅れている場合は管理者にアラートを飛ばし、メンバーには督促メールを送付するといった作業を自動的に実行することが可能になります。

RPAは定型的な事務処理の自動化だけではなく、テレワークを推進することで生じるタスクの自動化にも一役買ってくれるのです。

テレワークの導入は企業の成長スピードを落とさないためにも重要な施策

現在、日本では多くの市場が成熟し、従来のような右肩上がりの成長は望めなくなっています。また、商品やサービスのコモディティ化も進んでいることで、競合他社との差別化も困難です。そうしたなかで企業としての成長スピードを維持しようとすると、どうしても従業員の負担を増やしてしまいがちなのが現状です。

テレワークの導入は、そうした従業員への負担を軽減することはもちろん、交通渋滞や自然災害などで出社が難しいときでも、滞りのない業務を実現。企業の成長スピード鈍化を抑える効果を発揮します。また、モバイルワークやサテライトオフィスも含め柔軟な働き方を可能にすることで、従業員満足度や企業価値が向上し、優秀な人材の確保がしやすくなるというメリットもあります。

そして、従業員の負担軽減を進めるためには、テレワークに加え、RPAの導入がおすすめです。ホワイトカラーのルーティンワークが自動化されることで、本来の業務に集中できる時間が増え、残業時間削減にも大きな効果を発揮するのです。

関連情報:業務形態を変えずに人手不足解消を解決する方法

このように、テレワークやRPAの導入はこれからのビジネスに大きな影響を及ぼしていきます。一方で、企業としては従業員の業務内容や生産性にも気を配りながら業務を可視化していく必要があります。ワークスアイディが提供する『RoboRoid-HIT.s』は、RPA化する業務の選定や従業員のPC作業の可視化など、RPA導入効果をより高めるためのツールです。こちらも是非ご覧ください。

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