急速にニーズが拡大しているサブスクリプション型ビジネスモデルの事例とメリット

急速にニーズが拡大しているサブスクリプション型ビジネスモデルの事例とメリット

消費者の価値観は時代とともに変化し、それにともなって商品やサービスを提供するビジネスモデルも一変しています。特に現在では、多くの消費者がモノを所有するのではなく体験することに価値を見出し、サブスクリプション型と呼ばれるビジネスモデルが支持を得ています。

今回の記事では、企業や店舗がサブスクリプション型のビジネスモデルを展開する際に覚えておきたい、メリットやデメリット、サブスクリプション型サービスの事例なども紹介します。

サブスクリプション型のビジネスモデルが増加

サブスクリプションとは、利用期間に応じて定額料金を支払う方式のビジネスモデルです。最近では「サブスク」という略称もよく聞かれるようになりました。従来は商品を購入したら手元に資産として残る「買い切り型」のビジネスモデルが主流でしたが、その対極にあるのがサブスクリプション型のビジネスモデルといえるでしょう。

一口にサブスクリプションといってもさまざまなサービスがありますが、今回はコンシューマー(消費者)向けとビジネス向けのサブスクリプションサービスをそれぞれピックアップして紹介します。

コンシューマー向け(BtoC)のサブスクリプション

  • 音楽・動画のストリーミングサービス

「Apple Music」や「Netflix」のように、定額で音楽や動画が聴き放題・見放題で利用できるサービスです。サブスクリプションのなかでも代表的なサービスで、スマートフォンが普及したこともあり爆発的にユーザー数が伸びています。

  • 自動車のサブスク

レンタカーやカーシェアリングの場合は数時間または1日単位での短期利用を想定していますが、自動車のサブスクリプションサービスは数ヶ月という長期で利用することができます。CMで目にするようになった「ずっと新車に乗れる」「定額コミコミ」などのサービスが自動車のサブスクリプションに当たります。サブスクリプションがリースと異なるのは、整備や保険、税金などの費用もすべて含まれていることが多く、ガソリン代や駐車場代などを除き毎月一定額の費用ですむようになっている点です。ただし、月間または年間の走行距離が決められていたり、契約期間が終了した際には原状回復でコストがかかるケースもあったりと、注意が必要なものもあります。このようにリースとの違いが不明瞭といった要因もあり、苦戦を強いられているサブスクリプションサービスがあることも事実です。

  • 賃貸住宅のサブスク

賃貸住宅のサブスクリプションサービスは、定額料金を支払うことにより、全国各地にある賃貸物件に自由に滞在できるサービスです。数日~数ヶ月単位の利用が前提で、全国のいろいろなところに住んでみたい人にとっては魅力的なサービスといえます。

ビジネス向け(BtoB)のサブスクリプション

  • 社宅・寮のサブスク

個人向けの賃貸住宅のサブスクとは異なり、賃貸物件を社宅として光熱費や通信費込みの定額料金で借りられるのが、社宅および寮のサブスクリプションサービスです。自社で社宅や寮を新たに建てる予算がなくても、サブスクリプションサービスを利用することで初期費用を大幅に抑えられます。

  • オフィス家具のサブスク

オフィスに不可欠なデスクやチェア、キャビネットなどの家具を長期で借りられるのがオフィス家具のサブスクリプションサービスです。一般家庭用の家具も対象となっているため、リースよりも商品数が多く、幅広い選択肢があることも大きな特徴といえます。

  • クラウド向けシステム(SaaS)

会計システムや勤怠システム、名刺管理など、クラウド上で手軽に利用できるサブスクリプションのWebサービスが増加しています。このような提供方式は「SaaS(Software as a Service)」とも呼ばれ、自社でのソフトウェア購入や個別のシステム開発が不要となるため、大きな注目を集めています。


このように、コンシューマー向け・ビジネス向けを問わず、従来の買い切り型ビジネスモデルからサブスクリプション型のビジネスモデルに移行することによって、ビジネスモデルの変革が実現されることも多くなっています。特にIT技術を活用する事例は多く、「X-Tech(クロステック)」と呼ばれる特定分野ごとの技術革新も盛んになってきています。

→ 「X-Tech(クロステック)」についての情報は、こちらの記事もご参照ください。

サブスクリプションと定額制の違い

毎月の支払う料金が決まっているサブスクリプション型のビジネスモデルは、単なる定額制と混同されることが少なくありません。たしかに毎月一定額の料金を支払い、サービスを利用する点は共通していますが、両者には違いがあります。それぞれの特徴を紹介しながら、サブスクリプションと定額制の違いについて詳しく解説します。

定額制

古くから存在する定額制のサービスとしては、新聞の定期購読が挙げられます。同様に、雑誌の定期購読や健康飲料・健康食品の定期購入なども定額制のサービスに該当します。これらはサブスクリプションとは違い、ほとんどの場合ある商品を毎月一定数購入するというもの。サブスクリプションのように定額で「使い放題」といったサービスのことはあまり定額制とは呼ばないようです。

サブスクリプション

音楽や動画のストリーミングサービスは、あくまでもサービスに対する対価として支払われます。ダウンロードのように手元に資産として残らないため、サブスクリプションサービスを解約してしまうとそれ以降はコンテンツを楽しむことができません。しかし、ダウンロードをしないということは、すぐにその場でコンテンツを楽しめ、大容量のストレージも不要です。

自動車のサブスクも同様に、期間が終了したらクルマを返却する必要があります。リース契約と共通する点も多いですが、サブスクには任意保険料が含まれているなど、ユーザーの利便性が考慮されているのです。


定額制もサブスクリプションも、サービスの種類によってもさまざまな定義がありますが、サブスクリプションはユーザーの利便性を第一に考えたサービス内容になっていることが最大の特徴といえるでしょう。

サブスクリプションのメリット・デメリット

大きな盛り上がりを見せるサブスクリプション型ビジネスに対応しようと、従来のビジネスモデルからサブスクリプションへの移行を検討している企業も多いです。サブスクリプション型のビジネスを展開するうえで、サービスの提供者側から考えた場合、どのようなメリット・デメリットがあるのか紹介します。

メリット
  • 収益の見通しが立てやすい
  • 顧客と長期的な関係を構築することで継続的な収益が見込める
  • マーケティングに活用可能なデータを収集できる

企業にとってのサブスクリプションの最大のメリットは、ユーザーを獲得した後は継続的な収益を見込めることです。モノを購入してもらったら終わりではなく、半年や1年単位での継続利用となるため、長期的に見たときに収益の見通しが立てやすいのです。

また、継続利用期間の統計をとることによって、その商品やサービスがどのような属性のユーザーに受け入れられるのか、マーケティングデータとして活かすこともできます。

デメリット
  • 投資に対し回収期間が長期化する
  • 短期解約のリスクヘッジが必要

サブスクリプションは継続的な収益を見込める一方で、ユーザーから支払ってもらう1回ごとの利用料金は少額です。これはユーザーから見ればメリットですが、企業としては初期投資にかけたコストの回収が長期化するというデメリットでもあります。

また、そもそも短期間で契約と解約を繰り返すユーザーが増えてしまうと、想定よりも収益が低下してしまう懸念もあります。そのため、短期解約で損失が生じないように最低利用期間を設けたり、継続的に利用してもらえるように促す専門部隊を構築するなどのリスクヘッジが重要となるのです。

サブスクのビジネスモデルを正しく理解してフレキシブルに検討してみる

サブスクリプションは最近大きな注目を集めていますが、メリットだけではなくデメリットもあります。事業内容によっては必ずしもサブスクリプションにこだわることはなく、ユーザーの利便性も考えながら、ビジネスモデル全体として検討すべきと言えるでしょう。その結果として、別の料金体系が有利になることもありえるかもしれません。それぞれの長所を正しく理解して、世の中のビジネスモデルが一変しようとしている時代にうまく対応していきたいところです。

 

参考:

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