RPAを効果的に活用するために必要な人材とは?

RPAを効果的に活用するために必要な人材とは?

ここ数年でRPAを導入する企業は急速に増加しています。RPAはホワイトカラーの業務効率化を実現するツールとして大きな注目を浴びていますが、導入さえすれば必ず効果を発揮するというものではありません。従来、RPAの主な役割はコンピューターを使う業務の自動化でした。しかし、最近では業務範囲が拡大し、それにあわせてAIの活用やディープラーニングといった複雑な処理が必要になっています。そのため、AIやディープラーニングを理解した人材がいなければ、効果的な活用が難しくなっているのです。そこで、今回は進化するRPAを効果的に活用するためにはどういった人材が必要なのかについて考察していきます。

急速に導入が進むRPA

株式会社MM総研が2019年2月に発表した「RPA国内利用動向調査」によると、2019年1月時点で年商50億円以上の企業のRPA導入率は32%、導入を検討している企業は36%でした。前回(2018年6月)の調査では導入率22%、検討している企業が32%なので、わずか半年で導入企業10%、検討企業4%も増加しています。

この結果は、大手企業はもちろん、1,000億円以下の中堅・中小企業の導入率が27%と普及が進んでいることが要因となり、全体を押し上げる形になっているといえます。また、単純に導入する企業が増えているだけでは、本格的に普及が進んでいるとはいえません。しかし、同調査では導入した企業の59%が満足していると回答、さらに79%が利用拡大に前向きと回答していることから、日本においてRPAは本格的な導入期に突入しているといえ、導入企業はさらに増加していくと推測できます。

今後もRPA導入が進むことを推測できる理由はこれだけではありません。現在、政府が推進している「働き方改革」の大きな柱のひとつとなっているのが、残業時間の削減です。これを実現するには、業務効率化、人手不足解消が欠かせませんが、RPAの導入はこの問題の解決にも効果を発揮します。それは、上記の調査で、RPA導入で満足を得ている理由の上位に、「業務が楽になった」「人手不足対策につながった」「残業等の削減ができた」が挙げられていることからもうかがえます。

RPAを導入するうえで知っておきたい三つの自動化レベル

RPAは主にパソコンで行う作業を自動化し、効率的に業務を行えるようにするものですが、この自動化にも三つのレベル(クラス)があります。具体的には次のとおりです。

1.定型業務の自動化

現在、企業が導入しているRPAの多くはこのクラス1の段階で、情報入力、データ収集、数値のチェック、画像認識、複数システムのログインといったパターン化された業務を繰り返し行う定型業務の自動化です。パターン変更や、例外的な対応は人が行う必要がありますが、導入コストが抑えられることから、もっとも普及が進んでいるRPAです。

2.一部非定型業務の自動化

AIの技術を用い、自然言語解析・画像解析・音声解析により、非定型業務である情報処理や顧客分析を自動化します。具体的な利用例としては、最近、企業サイトやLINEに代表されるチャットアプリなどで見られる顧客対応用のチャットボットが挙げられます。

辞書データの準備、蓄積情報の学習といった投資が必要となるため、クラス1に比べると導入の敷居が高くなるのは事実です。しかし、現在、導入を進める、もしくは検討をしている企業が増えており、前項の調査においても、RPA導入企業でRPAとAIを組み合わせて使うことに前向きと回答したのは実に80%。この結果から見ても、このレベル2(クラス2)の段階のRPAが今後の主流となっていくと推測できます。

3.高度な自律化

クラス2に比べ、より高度なAIと連携し、定型、非定型業務の自動化だけではなく、問題発見や改善、意思決定までを自動化します。認識技術、自然言語解析技術、学習機能、ディープラーニングなどを用い、あいまいであったり、不完全であったりする情報を補いつつ業務を進めていきます。現時点でクラス3のRPA製品はほとんど普及していません。しかし、将来的には、日本語の対話ができるAIエンジンを活用することで、対話だけで必要なデータ入力を終え、すべての業務を完結させることも可能になるでしょう。

高度なRPAを活用するうえで欠かせないデータサイエンティスト

前項でRPAの三つの自動化レベルを見てきました。現状はクラス1のRPAがもっとも普及していますが、すでにクラス2のRPAとAIを組み合わせた一部非定型業務の自動化も普及のきざしを見せ始めています。しかし、RPAが進化し、AIはもちろん、クラス3のディープラーニングとの組み合わせにより、さらに効率的な業務を可能にするには大きな問題点があります。それは、高度なAI、ディープラーニングを扱える人材、データサイエンティストが必要不可欠になることです。

AIやディープラーニングを駆使してデータを分析、その結果から業務に必要な予測を行うのがデータサイエンス。そして、それを実際に行うのがデータサイエンティストです。この業務はまだ新しい分野であることもあり、実践の場で行える経験、知識を持った人材がそれほど多くはありません。

経済産業省が2016年6月に発表した「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によると、少子高齢化による労働人口の減少もあり、IT人材の供給力は低下。2015年の時点ですでに約17万人が不足、そして、2030年には約59万人、あるいは最大で約79万人が不足すると予測されています。さらに大きな問題は、今後、もっとも需要が高まるAIやディープラーニングといった先端IT技術を要する人材は特に不足していることで、2020年には約4.8万人の不足が見込まれています。

現在、日本では多くの業種で市場が成熟し、製品、サービスのコモディティ化が進んでいます。そうしたなかで企業として生き残っていくには、スピーディーな製品開発を行い、競合他社より先んじることで先行者優位の状況をつくることです。そのためには、効率的に業務を進めるツールを導入することは有効な施策といえるでしょう。しかし、RPAひとつをとっても、定型業務を自動化するレベルのものでは、なかなか競合他社に先んじることは難しく、今後はクラス2、クラス3のレベルの自動化を実現するRPAの導入が必須となります。

そして、それを実現するには、先述したようにAI、ディープラーニングといった先端IT技術を駆使し、データ分析を行えるデータサイエンティストの存在が欠かせません。すでに見たように先端IT技術を持った人材は潤沢にいるわけではないため、新規の採用と並行して自社にいる人材を育てることが大切といえるでしょう。

データサイエンティストは雇用と同時に育成も検討することが重要

RPAの導入は、ホワイトカラーの業務効率化に大きく貢献します。そして、最近では単純な定型業務だけではなく、非定型業務への活用も可能になり、RPAの重要度はさらに増しています。しかし、非定型業務でRPAを活用するには、AIやディープラーニングなどデータサイエンティストとしてのスキルが欠かせません。

ここで問題となるのがデータサイエンティスト自体の数が少なく、中途採用で優秀な人材を確保することが非常に困難である点です。そこで、おすすめなのがデータサイエンティストの育成です。採用活動を進めつつも、同時に社内で希望者を募り、データサイエンティストを育成することで、外部からの採用ができない場合にも、高度なRPAを扱うことが可能になります。

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