働き方改革の救世主?RPAツールを今のうちに理解しよう

働き方改革が推進される昨今、職場の生産性向上が叫ばれる機会も増えています。業務内容の見直しに加え、RPAツールの導入を検討されている職場も多いのではないでしょうか。そもそもRPAツールとは何か、使いこなすためにはどうすればよいのか、など、いざ導入するとなった時に困らないよう、今のうちから学んでおきましょう。

RPAツールとは何か

RPAとは「Robotic Process Automation」の略であり、ソフトウェアを使って人間がしている仕事のプロセスを自動化する、というものです。溶接や組み立てなど、いわゆるブルーカラーと呼ばれる工場での作業は、どんどん機械に置き換えられています。RPAはそれをホワイトカラーが行う単純作業にあてはめたものと考えるとわかりやすいでしょう。

今話題になっているテクノロジーの1つにAIもありますが、これはRPAとは異なります。AIは大量のデータという入力を受けて、それを分析し、結果を出力します。毎回同じアウトプットを出すわけではなく、学習を積むことでより適切な結果、方法を選択して出力できる、高度な技術です。一方でRPAは決まったルールを入力し、それ通りに作業し、人間の期待通りのアウトプットを出すものです。AIよりも安価で、技術的にも導入する際のハードルが低いのが特徴です。

そんな特徴を生かし、ホワイトカラーの職場では様々な用途でRPAが使われはじめています。経費精算や請求書処理、新規参画時のアカウント払い出しなど、必要な際には毎回同じような手順を繰り返す作業。同じ項目を入れて毎週報告するレポート作成。毎日の稼動報告、などホワイトカラーの職場にも、毎度同じ動作を繰り返す単純作業が多くあり、案外それに時間を取られているものです。RPAツールを導入することで、こういった繰り返し作業にかける時間を削減し、より価値の高い仕事に時間を割くことができるようになります。同じ労働時間で、より高い成果を出すことができたり、そもそも労働時間を短くしたりすることができる、という期待をもって多くの企業がRPAツールの導入を考えているようです。

それでは次に、RPAツールを導入するための第一歩として、その仕組みや強みについてみていきましょう。

RPAツール活用の第一歩。仕組みと強みを理解しよう

RPAの特徴として、直感的な動作ができることが挙げられます。いざRPAツールを使おうとする場合には、RPAに対してどのように動作してほしいか、その入力情報を作る必要があります。動作させたい内容や製品によってはプログラミングなど技術力が必要となる場合もありますが、技術力が必要でないものもあります。

RPAツールは、その入力情報をもとに、人間が作業するのに近い形でプログラムを実行します。マクロなどのように、1つのアプリケーション内で完結するわけではなく、対応しているアプリケーションであれば、アプリケーションの垣根を超えて作業を実行することができます。

しかし、RPAには得意分野とそうでない分野があります。キーボードやマウスなどパソコン操作や、ID・パスワードなどの自動入力は簡単にできるので、毎日の稼動報告や経費精算などは動作を覚えさせることで実現することができます。異なるアプリケーション間でデータを受け渡したり、蓄積されたデータの整理や分析をしたりすることもできるので、社内のデータベースに蓄積された売り上げデータから、wordを使った週次報告資料の作成を行う、といったこともできるでしょう。

反対に難しいこととしては、複雑な情報をもとに意思決定をするといった、フローチャートの入力ではできないような事項が挙げられます。あくまで実用レベルのRPAツールとしては決められたルールに基づいてミスなく決められた成果物を出す、という範囲にとどまります。合わせて、RPAはホワイトカラー向けのツールであり、工場のロボットのようなハードウェアは持っていないので、社内でゴミ箱を片付ける、不要な書類を処分する、といったアナログ作業に適用することもできません。

RPAが得意なこと、苦手なことがわかったところで、実際に導入するためにはどのようなステップが必要なのかを見てみましょう。

RPAツール導入までの流れ

RPAツールはただ導入すれば業務が効率化できるわけではなく、きちんと目的や必要性を確認した上で利用することが、有効活用のためには必要です。実際にRPAツールを導入するためにどのようなステップを踏む必要があるか紹介していきましょう。

導入の目的を明確にする

RPAに対してどのような効果を期待するか、認識を合わせることが必要です。労働生産性を高めて作業者の労働時間を削減したいのか、それともミスが許されない作業なのでミスが起こりやすい箇所をなるべくロボットに任せて作業の品質を高めたいのか、あるいは普段定型的な作業をしている作業者が本来はもっと高度な作業ができるスキルをもっているのでそのリソースを有効活用したいのか。目的によって、RPAにどんな作業を担ってもらうのか、またそれを実現するためにはどのRPAツールを導入すべきなのか、が見えてきます。

業務を可視化する

何よりも重要なステップが、業務を可視化することです。なぜならば、本当に時間がかかっている作業やミスが起こりやすい工程がわからないままツールを導入しても、期待する効果は得られないからです。普段の仕事の中では、どのような手順で作業を行っているのか、そもそもなぜその作業が必要とされているのか、どれくらいの時間がかかっているのか、などを確かめていきます。RPAに期待する作業を洗い出すと同時に、そもそも不要な業務が見つかったり、効率化可能なステップが見えてきたりすることもあるでしょう。

RPAに期待する業務の選定

業務が可視化できたら、次に考えるべきは、業務のうち何をRPAに担ってもらうかです。それまでその業務を担ってきたベテラン社員などにヒアリングを行い、導入のイメージを固めていくことが大切です。単純に時間のかかっているものを機械に任せれば良いわけではありません。そのアウトプットを受け取る人は誰か、固定ルールでは対応できないようなイレギュラーパターンは発生しないか、様々な条件を加味することが大事です。

RPAツールの選定

ここまできていよいよ、RPAツールを選定します。RPAツールにも色々な種類があり、期待する機能によって、選ぶ種類も変わってくるからです。有名どころとしては以下のツールがあります。

①    BizRobo!

シリーズ化されており、中でもベーシックロボと呼ばれるタイプでは、サイト上から必要な情報を抽出してくるウェブスクレイピングや、収集した大量データを統合するデータインテグレーションを行うことができます。業務内でウェブデータを活用する企業で、特に導入されています。

②    WinActor

インターフェイスやマニュアルがわかりやすく、サポート体制がしっかりしていることが特徴です。また、クライアントPCに直接インストールするため、専用サーバが必要なく、小規模に導入したいというニーズにぴったりです。

また、こういったRPAツールの導入を支援してくれるサービスも存在します。RPAの開発や運用サポート、内製していくための研修など様々な角度から支援を受けられるRoboRoid(ロボロイド)がその一例です。各社から販売されているパッケージの特徴をうまく生かしながら、その現場にあった導入を進めていきましょう。

テスト導入と本格導入

ツールが決定したら、いよいよ導入です。パッケージによっては試用版ライセンスを備えているものもありますから、可能な場合はテスト期間で様々な業務に適用してみて、効果の高かった分野について本格導入をするのも選択肢の1つです。ある程度運用を行ったら、効果測定をして導入の妥当性やより良い活用の方法を検討していくとよいでしょう。

RPAツール導入のためにも、まずは業務の可視化から

RPAツールには得意分野とそうでない分野があり、適切な業務を渡すことで人間の負担を減らし、またミスを減らすことにつながる、ということがわかりました。何を渡すのが適切かを考えるためにはまず、現在ある業務を可視化してその認識を共有することが重要です。普段当たり前になっている業務を見返し、生産性向上のためにどんな打ち手が考えられるか、検討してみましょう。


参考:

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