営業部門でRPAはどのように活用できる?ユースケースを紹介

営業部門でRPAはどのように活用できる?ユースケースを紹介

ホワイトカラーの業務を自動化・効率化するために有効なRPAは、人事や経理に代表されるようなバックオフィス部門を中心に活用が広がっています。しかし、これら以外にもRPAはさまざまな運用が可能であり、生産性の向上に役立ちます。

今回の記事では、営業部門を一例にRPAを活用するユースケースを紹介します。特に、新規営業先の開拓のような重要業務に役立てられるものもあるため、ぜひ参考にしてみてください。

営業先の開拓に向けた従来の方法

売上拡大につながる営業先を開拓することは、営業担当者にとって重要な業務のひとつです。また、新規開拓以外にも、過去に取引のあった顧客に対してアプローチするのもひとつの有効な方法といえるでしょう。

一般的に、営業先の開拓やアプローチとしては以下のような方法が挙げられます。

  • テレアポ
  • 訪問営業
  • DM(メール・郵送・FAXなど)

しかし、闇雲に電話や訪問、メールなどを送っても成約につながる可能性は決して高くなく、効率的な営業活動を行ううえでは顧客の見極めが重要です。

具体的な方法としては、過去の販売データや商談内容、マーケティングデータなどを分析したり、顧客をリスト化したりする作業があります。また、法人営業の場合には、対象企業を絞り込むために企業のWebサイトから情報を集めるケースもあるでしょう。

このような業務は営業担当者自らが行う場合もあれば、営業アシスタントなどのバックオフィス業務を担う社員が行う場合もあります。企業によっても顧客規模や扱う情報の種類などは異なりますが、いずれにしてもデータの集計や分析作業を1件ごとに行っていたのでは、多くの時間と手間を要し、業務効率が悪く生産性も低下してしまうでしょう。

そこで、営業活動を効率化するためにRPAを活用する方法があります。どのような場合にRPAの活用が有効なのか、いくつかのユースケースを紹介していきましょう。

ユースケース1|過去商談のリスト化

過去の商談内容が営業担当者ごとでバラバラに管理されており、リストとして一元管理できていないケースもあります。しかし、例えば商談内容が記載された業務日報や報告書をひとつずつ開き、リストに転記するのは手間がかかるもの。ExcelやWord、PDFといったデジタルデータで保存されていたとしても、ひとつずつコピーしていくのは決して効率的な作業とはいえません。

そこで、RPAを用いることで過去の商談内容をスピーディーにリスト化できます。商談メモや業務日報などは、あらかじめ決められたフォーマットに沿って作られているケースがほとんどです。どの項目をリストのどの部分に転記すればよいかをRPAに学習させることで、一連の作業を自動化できます。

なお、商談メモや業務日報などがデジタルデータではなく、手書き書類として運用しているケースもあるでしょう。そのような場合には、手書き文字をデジタルデータへ変換できるAI-OCRと、RPAを組み合わせることで自動化も可能です。

AI-OCRやRPAも活用する文書のデジタル化をIDP「インテリジェントドキュメントプロセシング(Intelligent Document Processing)」と呼ぶことがあります。

IDPに関してはこちらの記事でも解説しておりますので、併せてご一読ください。

【参考記事】IDPとは何か?RPAでさらなる業務効率化を実現するための方法

ユースケース2|社内システムと連携したリスト作成の自動化

商談内容そのものはリスト化できているものの、商材や部署ごと、営業担当者ごとに、過去の商談リストがバラバラに管理されているケースもあります。

リスト管理の方法が全社で統一されていないと、各部署や担当者によってそれぞれ管理方法が異なる場合もあるでしょう。例えばExcelで管理されている部署もあれば、スプレッドシートやSFA、書類などのように、デジタルデータとアナログデータが混在しているケースも考えられます。加えて、独自にリスト化するということはフォーマットが異なる場合もあるでしょう。

部署やチームによってSFAやMAといった複数のシステムを使い分けている場合、それらのシステムを個別に連携させなければなりません。RPA以外のシステムでは、社内システムと個別に連携させるためにはAPIなどを用いる方法が一般的でした。

しかし、これにはシステム開発に関わる技術的なスキルや経験が不可欠であり、ユーザー自らが社内システムと連携させることは決して簡単ではありません。

そこで、RPAを活用することでシステムそのものを連携させなくても、SFAやMAといった複数のシステム上のデータを横断的に収集したり編集したりできます。RPAによって実質的に社内システム同士を連携できるようになり、リスト作成の自動化が実現できるでしょう。

ユースケース3|スクレイピングによるWebリサーチの自動化

法人の営業先を新たに開拓する場合には、Webサイトから対象企業をリサーチする方法があります。

しかし、Webサイトによっても企業名や住所、連絡先といった企業情報が記載されているページは異なるため、情報を探し出すだけでも苦労することが少なくありません。Webサイト上に掲載されている内容を見極めて情報を集める必要があるため、人の目と手でなければ難しい作業と考えられがちです。

そこで、このような問題を解決する方法として、特定の情報を収集するスクレイピングと呼ばれる技術があります。例えば、「千葉県内にある製造業の企業名・住所・連絡先」を指定することで、Webサイトを巡回し該当する情報を収集できます。

スクレイピングの優れている点は、欲しい情報だけをピンポイントで集められること。Webサイトによっては、自社の企業情報だけでなく、取引先企業などの情報が掲載されているケースもあるでしょう。単に住所に該当するデータだけを抽出しようとすると、企業情報には該当しないデータまでもがピックアップされてしまうのです。

一方、スクレイピングはWebサイト上にあるデータを収集し、不要な情報やデータを編集したり加工したりといった作業も可能です。これにより、必要な情報のみをピックアップし収集できます。

通常、スクレイピングは専用ツールを使用したり、PythonやJavaScriptといったプログラミング言語を用いて開発したりする方法が一般的です。しかし、RPAツールのなかには、スクレイピング機能に対応したものも存在します。これを導入することにより、プログラミングスキルに自信がなくとも比較的簡単にスクレイピングを実行でき、効率的な情報収集が可能になります。

RPAを活用したスクレイピングに関しては、こちらの記事もご一読ください。

【参考記事】スクレイピングとクローリングをRPAで自動化 マーケティング業務への活用事例を解説

効率的な営業活動を支援するRPA

営業の基本は顧客とのコミュニケーションや交渉ではあるものの、新たな顧客先の開拓も重要な業務です。“数を打てば当たる”といったアプローチ方法もありますが、限られた人員と時間のなかで効率的に営業の成果を上げるためには、ターゲットを正確に絞り込むことが何よりも重要といえるでしょう。アプローチすべき顧客の精度が高まれば、成約に至る確率も高まり、生産性の向上が期待できます。

そのためには、過去の商談データやマーケティングデータなどを分析する必要があります。1件ごとに商談メモや報告書に目を通すだけでなく、顧客リストや商談リストの作成は効率的な営業活動への第一歩ともいえるでしょう。

企業によっては顧客情報や商談メモがデジタルデータ化されていなかったり、リストがバラバラに管理されていたりするケースもあります。そのような場合においても、RPAを活用することでリスト作成の作業が自動化・効率化され、営業担当者の業務負担を大幅に軽減できるのです。


参考:

関連記事