RPAで業務効率化を実現!ロボット開発3つの方法と注意点

定型作業をソフトウエアロボット(ロボット)に代行させるRPAは、オフィスで働くいわゆるホワイトカラーの業務効率化に大きく貢献します。

RPAのツールは、最近になって日本製が少しずつ増えてきているものの、海外製のものも多くあります。もちろん海外製のものを日本で活用することは可能ですが、社内にロボットを開発する技術があれば、自社にもっとも適したRPAになるでしょう。

今回は、RPAで実現する業務効率化とはどういったものなのか、さらにRPAのロボットを開発する方法や、実際に開発する際の注意点などについて考察していきます。

RPAで実現する業務効率化

冒頭でも触れたように、RPAはホワイトカラーの業務効率化を実現するツールとして、海外ではすでに多くの企業で導入が進み、日本での導入事例も増えています。特に定型書類の作成が多い金融機関では導入が進んでおり、三井住友フィナンシャルグループでは、RPAによる自動化で約200業務、約65万時間(開発着手分含む)の業務量削減を実現しています(2017年11月発表)。

では、RPAの導入によりどのような業務効率化を実現できるのでしょうか。金融機関を例に見ていきましょう。

たとえば、税務署より税務調査に関する資料提供を依頼された際、口座情報や取引情報など、さまざまな情報を複数のデータベースから収集しなければなりません。これを手作業で行えば大きな手間とコストがかかることは想像できるでしょう。

ですが、RPAを使うことで異なるデータベースからの情報収集、書類への転記が自動で行われ、工数の削減につながります。ほかにも、融資を決めるための稟議資料作成に際しても、多くのデータベースからの情報収集を自動で行うことで、従業員は収集された情報の分析業務に集中することが可能になります。

このように日々発生する定型業務の自動化はRPAのもっとも得意とするもので、従業員はルーティンワークから解放され、本来の業務である分析業務や営業活動などに集中できるようになり、業務効率化が実現するのです。

RPAを実現するロボットの開発方法

ホワイトカラーの従業員が日々発生する定型・反復業務といったルーティンワークから解放されることは、ほかの業務に集中する時間が増えることを意味します。結果として、業務が効率化されるだけでなく、生産性の向上にもつながるのです。

そうした効果のあるRPAですが、1つ問題があります。それは、まだ海外ほど成功事例が多くない日本では、自社の業務プロセスに適したロボットが容易に見つけづらいことです。業務効率化や生産性向上を実現するといっても、それはあくまでも自社の業務に最適なRPAを導入することが前提であり、単純にRPAを導入すれば効果が出るわけではありません。そこで選択肢のひとつとして挙がってくるのが、オリジナルRPAを実現するロボットの開発です。

自前のロボットを開発すれば、自社で必要な機能だけを搭載することができ、既存製品の購入よりもコストを抑えることも可能です。こうした自社のオリジナルロボット開発にあたっては、次の3つの方法があります。

1.自社で開発する

自社内にロボット開発を行える従業員がいることが前提となりますが、もっともコストをかけずに開発する方法です。他のタスクと兼務になったり、RPAツールの開発ノウハウが蓄積されていなかったりするため、外部に依頼するのに比べれば開発スピードは遅くなる可能性も高まりますが、自社の従業員が開発を行うため、RPAを必要とする部署と連携しながら作ることができます。そのため、思っていたものと違うものができあがることが少なく、スムーズな開発が行えることもメリットのひとつです。

ほかにも、ロボット開発のノウハウが自社内で蓄積できることや、操作方法の講習に追加コストがかからないことも自社内で開発するメリットといえるでしょう。ただし、前述のようにロボット開発のノウハウを持った従業員がいることが大前提です。

2.自社と開発会社とで開発する

自社内でできることは自社で、自社では開発が難しいところは外部の開発会社に委託する手法です。自社だけでの開発に比べればコストはかかりますが、ロボット開発の経験が豊富な開発会社の協力があれば、開発スピードが遅くなったり、途中で開発が滞ったりするリスクは少なくなります。また、完全に分業にしてしまうのではなく、開発会社と協力して開発を進めていけば、自社内にはなかったノウハウを蓄積していくことも可能です。

3.開発会社にすべての開発を依頼する

外部の開発会社に開発のすべてを委託するケースは、もっともコストはかかるものの、RPAロボット開発の経験が豊富なエンジニアが在籍する開発会社を選択すれば、上記2つの方法と比べると短期間で開発を進めることができ、途中で滞ってしまうこともあまりありません。ただし、RPA開発に関するノウハウが自社に蓄積されづらい、開発会社の選択を間違えてしまうと思ったような結果が得られない、といった懸念事項もあります。

RPAを実現するロボット開発する際に気をつけるべきこと

ここまでにロボットを開発する主な方法を3つ見てきましたが、ロボットを開発するにあたっては、気をつけなければならない点もあります。こちらも3つご紹介しましょう。

RPAを使う業務範囲を事前に明確にする

気をつけるべき点の1つ目は、業務範囲の仕分けを正しく行うことです。RPAを活用した方が効率的になる業務とそうではない業務があります。つまり、自社にとって最適なロボットを開発するためには、最初に業務範囲を明確にしなければなりません。部署やチームごとにしっかりと聞き取り調査を実施し、課題点を確認したうえでRPAを導入する業務を洗い出すことが重要です。

また、社内にロボット開発のノウハウを持った社員がいない場合は、この仕分けの段階から開発会社としっかりミーティングを行うようにします。そうすることで後になってから追加になったり、無駄になったりするといったリスクが軽減されます。

スモールスタートにする

2つ目はスモールスタートにすることです。初めてのRPAを導入して一気にすべてのプロセスでRPAが活躍……となれば良いのですが、なかなかうまくいかないものです。また、多岐にわたる業務で一度にRPAを導入すると、何かしらトラブルが起きた際に問題が大きくなってしまいがちです。そうしたリスクを避けるには、まずは主要業務ではない業務で試験的に導入し、その成果を見つつ少しずつ導入の範囲を広げていけば良いでしょう。もし、開発会社に開発を委託する、もしくは開発を共同で行う場合は、どこから始めることが最適であるかを十分にミーティングされることをおすすめします。

自社開発でかえってコストアップにならないようにする

3つ目はコスト面です。すでに触れたように、RPAのロボットを自社開発するメリットのひとつは、コスト削減です。しかし、初めてのRPA開発となると計画通りにいかないことも出てくるでしょう。開発を進める途中で事前には洗い出せていなかった課題に直面することで、最初に設定した予算を大きく上回ってしまう可能性も十分あります。この場合、結果的に外部に依頼したほうがかえって安上がりだったということにもなりかねません。これでは自社開発をするメリットが半減するといって良いでしょう。

そうした事態を防ぐためにも、開発途中にも定期的に予算管理を行い、大幅なコスト増が明らかになった場合は、RPAを導入する業務を減らすようにします。もしくは事前に外部制作会社に見積もりを依頼し、自社の予算と比較したうえで、外部に共同開発も含め依頼することを検討する必要があります。

RPAを実現するロボットを開発する際は費用対効果の検討が重要

これまでホワイトカラーの従業員が大きな時間を割いていた定型作業を代行するRPAは、業務効率化に大きく貢献します。日本でも今後ますますの普及が見込まれていますが、RPAそのものがまだ新しい概念でもあり、既製品をそのまま使っても自社にとって最適な業務効率化を実現できるとは限りません。

そこで、まずは自社にとって自動化が必要な業務、あるいは自動化が可能な業務を明確にしましょう。その部分だけに対応できるRPAを実現するロボットを開発するほうが効率化はもちろん、コストを抑えることにもつながります。ただし、本文でも述べたように時間とコストだけを浪費する結果にならないよう、自社の業務の明確化や課題の洗い出し自社の開発能力、費用対効果、といった重要なポイントをしっかりと検討したうえで進めることが必要不可欠だといえるでしょう。

 

参照サイト:

生産性向上の実現に向けた RPA(Robotic Process Automation)の活用について|三井住友フィナンシャルグループ

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