コロナ禍で変わるオフィス 新しい働き方に対応するオフィスの役割とは

オフィスの定番といえば、広大なフロアにデスクが密集し、多くの社員が集まって働いている光景を思い浮かべる人も多いことでしょう。都心部では大規模ビルの建設ラッシュが続き、今後数年で大量のオフィスが供給される予定となっています。

しかし、コロナ禍によって従来のオフィスの光景も一変する可能性があります。

これからリモートワークがますます定着していくなかで、オフィスに求められる役割はどのように変化していくのでしょうか。今回は、新たな時代を迎えるにあたって重要となるオフィスについて詳しく解説します。

これまでのオフィスの役割

会社に欠かせないオフィスという存在は最近になって登場したものではなく、18世紀から19世紀にかけての産業革命後にはすでに存在していたといわれています。当時は一次産業から二次産業への転換期でもあり、大量の工業製品を生産する過程において労働者を一箇所に集めて作業が行われていました。学校の教室のように一定方向を向いて机が並べられた空間に、労働者を集めたものがオフィスの発祥とされているのです。

一方、日本国内においてオフィスが一般化してきたのは明治期までさかのぼり、現在のような島型のデスクが配置されるようになりました。営業や管理部門など、部署ごとに従業員が密集しているとお互いのコミュニケーションが取りやすく、組織で動くことが多い日本企業にとっては理にかなった配置だったのです。

その後、1990年代ごろから固定席が決められていないフリーアドレスのデスク配置や、ちょっとした休憩や打ち合わせにも活用できるフリースペースが設けられるようになり、オフィスのレイアウトも多様化してきました。

しかし、レイアウトやデザインは変わっても、社員が毎日同じオフィスに出社して仕事をするという風景は長い間変わることがありませんでした。このため、従来のオフィスとは根本的には社員を管理しやすくする役割を果たすものだったといえるのです。会社の規模が大きくなるほど広大なオフィスに引っ越す光景も見られ、オフィスの広さが会社の規模を示すひとつのステータスや象徴として捉えられてきた側面もあります。

現在、多くの企業で働き方改革が進められていますが、そのなかでも重要な取り組みとして注目されているのがリモートワーク環境の整備です。オフィス以外の場所においても自由なスタイルで仕事をすることができるようになった今、オフィスに求められる役割や要素も変わろうとしています。

変化するオフィスの役割と、まもなく到来するオフィスの大量供給

都心部のオフィス需要はここ数年右肩上がりで、それに比例するように大規模ビルの竣工が相次ぎました。そして、それら多くのビルのオフィスやテナントは極めて低い空室率を維持していたのです。しかし、新型コロナウイルスの影響によって今後オフィスの供給状況は一変すると予想されています。

大企業から中小企業までほとんどの企業において業績が悪化していることはもちろんですが、大企業を中心として今後リモートワークが定着していく可能性があることが挙げられます。これまでのように毎朝同じビルに多くの社員が出社し仕事をするという光景は少なくなり、必然的にオフィス物件の需要は低下していくのではないかと考えられているのです。また、大企業の多くがリモートワークに対応すると、その次には中小企業も追随してくることも予想されるでしょう。

しかし、このような働き方の変化とは対照的に大規模ビルの建設ラッシュが続いていることも事実です。3年後の2023年には不動産市場に大量のオフィス物件が供給される予定もあり、結果としてオフィス物件が過剰供給となり賃料が下がると予想する専門家もいます。

企業の業績悪化によってオフィス需要が低下するという見方もありますが、これはあくまでも一時的な要因にすぎず、仮に今後企業の業績が回復した場合であっても、長期的に働き方が変化していけばオフィスビルに求められる役割の変化のほうが大きなインパクトとなり得るのです。

アフターコロナの世界での新しい働き方を検討し、実際に導入していくことは優秀な人材の確保にもつながっていくでしょう。反対に考えれば、旧来型の働き方から脱することができない企業にはなかなか人材が集まりづらく、従業員のモチベーションも低下し業績が悪化するおそれも十分考えられます。

働き方の変化に合わせて求められる新しいオフィスとは

リモートワークが定着してくると、これまで求められてきた典型的な管理型のオフィスは今後古いものになっていくと予想されます。1フロアに数百人もの人が密集して働くような、大企業を象徴するオフィスは新しい生活様式と比較すると必ずしも支持されるとは限りません。むしろ、従来型の大規模なオフィスよりは、従業員が時短で通勤できる分散型のサテライトオフィス、あるいは気軽に立ち寄れるコワーキングスペースやレンタルオフィスのような形態のニーズが高まっていく可能性があります。

また、オフィス面積が縮小されることによって、オフィス賃料や光熱費、管理費などが削減され、企業の固定費削減に大いに貢献することにもなります。削減できた固定費分を従業員の手当などに活用できれば、仕事に対するモチベーションも向上し生産性アップにつなげていくことも可能です。

同時に、リモートワークに移行していくということは現行の評価システムやその基準を見直す機会にもなるはずです。目標管理や評価の指標において、「日頃の働きぶり」などの定性的な項目を評価基準にするのではなく、客観的に納得できるような成果を判断する仕組みが求められます。年齢や社歴などを基準にした年功序列型の評価や、残業などオフィスに拘束されている時間がいかに長いかによって評価されるような旧態依然とした評価指標はこれからますます少数派となり、より一層成果に着目した人事制度が検討されるようになっていくでしょう。

従業員を雇用する企業側は、成果を重視した評価制度の導入や働き方の変化に合わせて、従業員の能力開発を積極的に支援していくことも重要です。資格取得の支援やリモートワークでも参加が可能な研修制度、e-ラーニングの充実なども求められる時代になると考えられます。

オフィスの変革の前に必須となる業務改革

真のオフィス改革を実現するためには、オフィスという「箱」を変えただけでは意味がありません。もっとも肝心なのはリモートワークに対応できる業務を増やし、オフィス内でなければ対応できない業務を削減していくことです。その結果、多くの従業員が多様な働き方を選択できるようになり、真のオフィス改革と働き方改革が実現されます。

このような業務効率化や業務フローの改革を実現するためには、ITツールの活用が欠かせません。ペーパーレス化やFAXの廃止はもちろんですが、業務フローの見直しによって削減できる業務は可能な限り削減していくことも重要です。また、定型的かつ大量の工数が求められる作業においては、人手ではなくRPAのようなツールをうまく活用することも検討しましょう。

その際に重要なのが、どこでRPAを導入することが最適化につながるか把握することです。業務の中身を可視化するツール「RoboRoid-HIT.s」を活用すれば、現状のワークフローや個々の作業ボリュームを簡単に把握することができます。RPAの導入が初めての場合でも、大きなハードルになりがちな対象業務の洗い出しや運用サポートまでをセットで提供しているため安心して相談が可能です。

どのような業務に活用できるのか、RPAの基本について教えてほしいなど、初歩的な相談や質問もぜひお気軽にお問い合わせください。

 

参考:

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