デジタルトランスフォーメーションとは?これまでの実例と今後の働き方

ここ10年弱の間で、インターネット市場の主戦場はパソコンからスマートフォンに移り変わりました。このような大きなムーブメントを表す「デジタルトランスフォーメーション(Digital transformation;DX)」という言葉があります。なんとなく耳にしたことがある方もいれば、初めて聞いたという方も少なくないのではないでしょうか。今回は、デジタルトランスフォーメーションとは具体的に何を表しているのか、その実例や今後の展望などをご紹介します。

デジタルトランスフォーメーションとは?

「トランスフォーメーション」という言葉は、「モノや構造が変化すること」と訳されます。すなわち、デジタルトランスフォーメーションとはITによって世の中の仕組みや構造、あらゆるモノが変化し、社会全体が進化していくことを表す言葉です。

コンピュータの歴史を紐解くと、これまでもデジタルトランスフォーメーションは幾度となく起こってきたことが分かります。インターネットの登場はもちろん、動画ストリーミングサービスやSNSなどの誕生もデジタルトランスフォーメーションを引き起こした要因のひとつと考えることができます。

デジタルトランスフォーメーションの実例

身近なデジタルトランスフォーメーションの例を見てみましょう

Amazon

インターネットの活用によって小売業界を激変させたAmazonは、すでに私たちの生活に密着しつつあります。徹底的な顧客志向であり、破格の安さはもちろん、レコメンド機能などの革新的な仕組みはAmazonを象徴するものといえるでしょう。近年ではAmazon Echoなどのスマートスピーカーや、レジ精算がない近未来型のコンビニエンスストアAmazon Goなども登場。常に時代の一歩先を行くデジタルトランスフォーメーションの体現者といえるでしょう。

Google

Googleはネットメディアの世界で広告のビジネスモデルを確立しました。テレビや新聞、雑誌といった既存のメディアにはない、インターネットというまったく新しいフィールドで広告を展開し、年々成長し続けています。GmailやYouTube、Androidなど、インターネットの世界では欠かすことの出来ないプラットフォーマーとして確固たる地位を築き上げました。

Hulu・Netflix

動画のストリーミングサービスとして高い人気を誇るのがHuluとNetflixです。月額1,000円前後で定額見放題のサービスは多くのユーザーに受け入れられ、それまでの主流であったビデオレンタルの世界を激変させました。

デジタルトランスフォーメーションの今後と最新事例

これまでデジタルトランスフォーメーションの主役といえば、インターネットを活用したものがほとんどでした。AmazonやGoogle、HuluやNetflixはいずれもインターネットの登場がなければ成し得なかったものばかりです。しかし、今後はインターネットに加えて、AIやIoT、ロボット、ビッグデータなどの活用が広がることでデジタルトランスフォーメーションはますます加速していくことが予想されます。

ここからは、次世代のデジタルトランスフォーメーションを象徴する最新の事例をご紹介します。

家事代行ロボット

これまでのお掃除ロボットといえば、床掃除のみがメインであり、障害物があった場合はそれを避けることしかできませんでした。しかし、Mira Roboticsは遠隔操作によって家事代行をするロボットを活用したサービス「ugo」(ユーゴー)を発表しました。ugo は2本のアームが備わっており、人型に近い形状のロボットです。これによって洗濯や掃除を代行することもでき、今までのお掃除ロボットに比べて圧倒的に利便性が向上します。2020年以降のサービス開始を予定しており、決して遠くない未来に家事代行ロボットが一般的に普及すると考えられています。

Googleアシスタント

AIの発達によって、同時に2人が話す会話の内容をリアルタイムで翻訳することも可能になりました。Googleが新機能として発表したものですが、ホテルのフロントなどでインバウンド対応に大いに役立つ機能として注目を集めそうです。

自動運転車

大手通信事業者と自動車メーカーは、次世代通信技術5Gを活用して自動運転の実証実験を開始しています。この自動運転は、遠隔で1名の運転手が監視をしておき緊急時には制御を行うという仕組みのものです。5Gは、瞬時の判断が必要とされる自動車の運転を自動化する場合に欠かせない技術のひとつです。各所で実用化に向けた取り組みが進んでおり、公道を自動運転車が走る日もそう遠くない未来かもしれません。

デジタルトランスフォーメーションと働き方改革

デジタルトランスフォーメーションは実際の業務にどのような影響を与えるのでしょうか。業務のあり方や働き方も今後大きく変わってきますが、その中で注目を集めているのがRPAです。RPAによってどのような効果が得られるのか、働き方改革にも通じる役割について詳しく紹介していきます。

RPAの活用

RPAとは「Robotic Process Automation」の略称です。すでに多くの企業が活用し始めているRPAは、デジタルトランスフォーメーションによって実現される働き方改革の代表例ともいえる存在です。ロボットといっても物理的に動くロボットではなく、パソコン内で動くプログラムのようなものです。

ただし、一般的なアプリケーションやプログラムとは大きく異なり、プログラミングの知識がない場合でも、簡単に仕事の命令を出すことができる画期的なツールといわれています。従来人間の手によって行われていた定常的・定量的な作業を現場の担当者レベルでRPAに投入することが可能とされており、決まった手順に従って行われる作業の多くはRPAに代替されていくと期待されています。

RPAが働き方改革に有効な理由

RPAを導入することによって作業時間の削減や作業効率の向上が見込めるということはもちろんですが、働き方改革の面から考えてそれ以上に期待できる効果があります。それは、業務の可視化につながるということです。

RPAを導入するためには、現業務の棚卸しを行い、RPAで実行できるものとできないものに業務を切り分ける作業が必要になります。このとき、必然的に作業内容や手順を一から見直すことになり、無駄な作業などが発生していないかを洗い出すことになります。

これまで行ってきた業務を見直し、効率化につなげることを多くの企業は考えているはずです。しかし、現場の担当者にとってはあまりにも漠然としていて、何を基準に業務の切り分けをすべきか分かりづらいものです。そこで、RPAというツールを導入することによって、RPAを利用できるかできないかという明確な基準で切り分けをすることができるようになります。

このような業務の可視化は、働き方改革を実現するための第一歩でもあります。そして、一度でもRPAによって業務効率化が実現できた部署や担当者の多くは、できるだけRPAというツールを活かすために率先して業務効率化を行っていき、これまでにはない規模での業務の効率化が期待できます。

デジタルトランスフォーメーションの進化はさらに加速

デジタルトランスフォーメーションはいつか終わるものではなく、今後も続いていきます。テクノロジーの進化のスピードもこれまでとは比べものにならないほど速くなっていくことでしょう。これまで見たこともない、考えたこともなかったようなモノや仕組みが今後続々と登場してくるものと考えられます。

そして現在はRPAに代表されるような業務効率化のツールも、時代とともにさらに進化していきます。人手不足が深刻な状況が続いているなか、デジタルトランスフォーメーションによって生まれる新たなツールや仕組みが救世主となってくれる可能性は決して低くありません。

 

参考:

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