クラウドセキュリティはなぜ重要?セキュリティ課題の解決に向けて注目されるSECaaSとは

クラウドセキュリティはなぜ重要?セキュリティ課題の解決に向けて注目されるSECaaSとは

2010年代半ばからクラウドシステムが普及しはじめ、現在ではDXやテレワークを実現するうえで欠かせないものとなっています。しかし、なかには既存の業務システムをクラウド環境へ移行できず、DXがなかなか進まない企業があることも事実です。その背景のひとつには、クラウド環境に対応したセキュリティ対策の難しさが挙げられます。

今回の記事では、クラウドセキュリティの重要性や、クラウドシステムにはどのようなセキュリティ対策が求められるのか、解決策の事例も含めて紹介します。

DXにおけるセキュリティ対策の重要性

DXの実現に向けて、多くの企業でAIやIoT、クラウドといった最新のテクノロジーを活用したさまざまな取り組みが始まっています。しかし、先進的で成果の出ている取り組みとして取り上げられるのは資本力のある大企業が中心で、中小企業のなかには思うようにDXが進んでいない企業も少なくありません。そこにはいくつかの問題点が考えられるのですが、なかでも大きいのがセキュリティ対策の課題です。

例えば、クラウドシステムを導入し新たなビジネスモデルや業務プロセスを検討したとき、不正アクセスによる機密情報や個人情報の漏えいリスクが排除できず、結局実現に至らないケースもあるでしょう。

クラウドシステムは、インターネットを利用できる環境であれば場所を問わず利用できるというのが大前提です。加えて、アクセスできる端末も従来のようにPCに限定されておらず、スマートフォンやタブレットといった多様なデバイスが選択できます。利便性が高まった反面、対象となるネットワークの範囲やデバイスの数が格段に増え、従来のセキュリティ対策では通用しなくなっているのです。

クラウド化が進みDXやテレワークに注目が集まっている現在、セキュリティ対策は切っても切り離せない重大な問題といえます。そのため、セキュリティ対策の問題が解決できない限りは、クラウドシステムの開発や導入は実現が難しく、ノウハウが少ない中小企業ほどDXへの取り組みが遅れている現状があります。

クラウドシステムに求められるセキュリティとは

クラウドシステムの導入にあたって、セキュリティ課題を解決するためにはどのようなポイントが重要なのでしょうか。特に押さえておきたい2つの点をピックアップしご紹介します。

アカウント情報の適切な管理

不正アクセスによる情報漏えいは、アカウント情報の不適切な管理が原因で発生するケースが少なくありません。例えば、退職者のアカウント情報を削除しないまま残していたり、安易に自分のアカウント情報を第三者に教えてしまったりして不正アクセスにつながるケースがあります。

クラウドシステムを運用するうえでは、管理者がユーザーごとのアカウント情報を適切に管理することはもちろんですが、システムを利用するユーザーも自身のアカウントが他者に知られないように厳重に管理しなければなりません。

従来のようなオンプレミス型のシステムであれば、万が一アカウント情報が漏れても社内ネットワークでなければアクセスできませんでしたが、クラウドシステムはあらゆる場所からアクセスできるため、より慎重かつ厳重なアカウント情報の管理が求められます。

VPNよりも手軽で安価なセキュリティシステム

そもそも、情報セキュリティ対策は大企業から中小企業まで行われてきたにもかかわらず、クラウドシステムへのセキュリティ対策に課題が残るのはなぜなのでしょうか。そこには、オンプレミス環境とクラウド環境の違いがあります。

従来のオンプレミス環境では、システムを利用する範囲が物理的に限られていました。社内システムを利用するのはオフィスの中に限定されているため、社内ネットワークと社外ネットワークの境界線にファイアウォールを設置しネットワークを分離したうえで、セキュリティ対策を講じるのはあくまでも社内ネットワークのみで良かったのです。

しかし、クラウドシステムはインターネット環境さえあれば利用できるという前提がある以上、社外・社内というネットワークの境界線がありません。そのため、クラウドセキュリティでは、アクセスごとに「これは正常なアクセスか、不正なアクセスか」を見極めなければならないことも意味しています。

従来、このようなアクセスの見極めにはVPNを導入する方法が一般的でした。しかし、高額なコストの問題や通信速度の低下、導入までの期間を要するといったデメリットもあり、資金力の乏しい中小企業が気軽に導入することは難しかったのも事実です。クラウドシステムを普及させDXを推進させるためにも、より手軽で安価なクラウドセキュリティが求められています。

SECaaSで高度なクラウドセキュリティを実現

クラウド時代に対応するため、VPNよりも安価で手軽なセキュリティシステムとしてSECaaSが注目されています。SECaaSとは何か、従来のセキュリティシステムとはどのような違いがあるのかも含めて詳しく解説しましょう。

SECaaSとは

SECaaSとは「Security as a service」の略称で、一言でいえば「クラウドベースのサイバーセキュリティシステム」と表現できます。オンプレミス型のサーバーを立ち上げる必要もなく、サブスクリプションサービスのように契約後すぐに利用可能なほか、ユーザー数の変動に合わせてライセンスの追加や削除も簡単に行えます。

クラウドベースで提供されるため、社内に情報セキュリティの専任担当者を配置したり、新たに雇用したりといったことも不要で、これまでの情報セキュリティの課題を一気に解決できるソリューションとして注目されています。

SECaaSの根本にあるのはゼロトラストと呼ばれる考え方です。従来のオンプレミス型システムのように、「社内ネットワークからのアクセスだから信頼する」といったものではなく、「何も信頼(トラスト)しない」ことを前提にセキュリティ対策を講じます。

ゼロトラストセキュリティについては、こちらの記事もご参照ください。
参考記事:「2020年から話題の「ゼロトラストセキュリティ」とは何か?今さら聞けない基本的な仕組みを解説

ネットワークインフラは変更不要

SECaaSは物理的にサーバーを設置する必要がないため、既存のネットワークインフラのままスムーズな導入が可能です。また、オフィスの移転やレイアウト変更などを行う際も、従来であればセキュリティシステムに合わせてインフラの設計のし直しや、大がかりな工事・作業が必要でしたが、SECaaSではそのような手間もありません。ゲートウェイを排除し、シンプルな構成のネットワークシステムを実現することも可能なため、柔軟な働き方に合わせて最適なセキュリティ対策を講じられます。

VPNのボトルネックを解消

SECaaSのなかには、アプリケーションはもちろん、ネットワークそのもののクラウド化も可能なソリューションもあります。SD-WANやローカルブレークアウトにより、VPNで生じやすいボトルネックを解消できれば、VPNへの一時的なアクセス過多によって生じる通信速度の低下なども防ぐことができるでしょう。

DX実現の第一歩としてSECaaSの導入を検討してみよう

DXの実現にはクラウドシステムの導入が不可欠ですが、クラウド環境の下では従来のオンプレミス環境とは異なるセキュリティ対策が求められます。新たなシステムに対応したセキュリティ対策と聞くと、大がかりなものをイメージする方も多いかもしれません。

しかし、例えば「Zscaler」に代表されるSECaaS対応ソリューションの多くは、極めて短期間で導入でき、ネットワークの設計変更や工事も不要で手間がかかりません。DXへの取り組みの第一歩として、SECaaSに対応したソリューションの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

参考:

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