業務改善はどうやって進める?

働き方改革の施行にともなって、多くの企業が業務改善に取り組んでいるのではないでしょうか。重要な取り組みであると分かっていても、実際にどのように進めていけば良いのか、具体的な方法がわからないという場合もあるでしょう。そこで今回は、業務改善を進めるうえでのアイデアや利用するツールなどについて、紹介していきます。

業務改善を進める前にすべきこと

まずは、実際に業務改善に取り組む前に、どのようなことからスタートすべきなのかを順番に確認しておきましょう。

現状の業務内容を把握・可視化する

業務改善を実行するためには、当然のことながら現在の業務内容を把握しなければなりません。現場の担当者からヒアリングのうえ、現在の業務内容を知ることが業務改善の第一歩となります。

また、業務が特定の従業員に集中し、属人化しているケースもあるでしょう。そのような場合は、業務フローや業務プロセスを「見える化」しておくことが大切です。

問題点を洗い出す

業務内容の把握が完了したら、現場の担当者からヒアリングをして、困っていることや非効率な作業などをリストアップします。何が原因でそのような問題が起こっているのか、その理由を探っていきましょう。

その際に大切なのは、漠然とした内容ではなく、できる限り具体的に問題を抽出することです。たとえば、「〇〇の業務に〇時間取られており、本来の業務である営業活動ができない状態にある。その結果、月に〇件相当の失注につながっている」といったように、数値化できる内容が理想的といえます。

改善方法を検討

問題のある業務がある場合、それをどのように改善していくのかを検討していきます。ここでは業務を円滑に進行させるための新しいルールの策定、ほかの方法への代替、業務そのものの廃止など、さまざまな方法を検討する必要があります。その中から最も効果が高いと思われる案を採用し、移行計画を立てていきましょう。その際に、改善案を実行した場合のKPIも忘れずに設定するようにしましょう。

改善案の実施

改善案が検討されたら、早速それを実行に移してみます。改善案を実行してもKPIの指標に達しない場合は、再び問題点を洗い出すことから繰り返してブラッシュアップしていきましょう。PDCAをまわすことで、実行した内容をチェックしてさらなる改善につなげることが重要です。

業務改善のアイデア

ここからは、実際に業務改善を行ううえでのアイデアをいくつかご紹介します。

作業マニュアルの作成

特定の従業員でなければできないような業務や、明確なルールが定まっていない業務があればマニュアルを作成しましょう。作業マニュアルを作成することで、担当者が変わっても引き継ぎが楽になるほか、業務が属人化しないため部署内、あるいは部署間の役割分担が明確になり、作業効率も上がります。

さらに、マニュアルを作成する過程で業務プロセスの細かな見直しを行うことができることもメリットです。今まで気づけなかった非効率な業務をなくすきっかけにもなるでしょう。

権限の委譲

業務上必要な承認作業や決裁など、ほかの担当者でも可能な作業があれば、権限を委譲することも検討してみましょう。

権限が特定の管理職やリーダーにばかり集中していると、その人が不在であると承認や決裁が進まず、作業が滞ってしまいます。承認待ちで業務が長期化することは非効率ですので、委譲できるものは積極的に検討してみることがおすすめです。

決裁業務にはなかなかほかに任せられない難しいものもありますが、たとえば「金額が〇〇円以下の場合には現場で承認する」といった形で、細分化して権限委譲することも考えられます。

担当者の見直し

特定の個人の仕事のパフォーマンスが悪く業務効率が低下している場合は、その従業員のスキルや適正に合っているのかを改めて検討してみることが必要です。細かな作業が得意な人もいれば、他部門との折衝やコミュニケーションが得意な人もいます。

また、それぞれの従業員の希望もヒアリングしたうえで仕事を割り当てることも重要です。主に管理者向けの施策ですが、個人ごとに業務のパフォーマンスに差が生じている場合はぜひ検討してみましょう。

業務そのものの廃止・統合

先に述べたような業務内容を把握して整理している段階で、何のためにこの業務を行っているのか、その理由がわからないというケースもあります。そもそも本当に必要な業務であるのか、廃止しても問題ないか、改めて検討してみましょう。また、仮に廃止が難しい場合であっても、ほかの業務と統合することによって業務効率化できないかも検討してみることが重要です。

業務の自動化

普段は担当者が手作業で行っている業務であっても、ルーチンワークが多いのであれば自動化ツールの導入も検討するとよいでしょう。導入コストや運用コストの面で新しいソフトウェアの導入が難しい場合であっても、Excelのマクロなどで対応できればコストは大幅に抑えることができます。

ちなみに、業務の自動化と聞くと事務作業の担当者が主な対象と考えられがちですが、実際には営業や管理職向けの自動化ツールも存在します。どのような業務のどの部分を自動化するのかによっても使用するツールが変わってくるため、できるだけ具体的に業務内容を精査しておきましょう。

1.  業務改善で使えるツール・システム

業務の自動化のために多くの企業ではツールやシステムの導入が進んでいます。具体的にどのようなものがあるのか、見てみましょう。

RPA

RPAはRobotic Process Automationの略称です。パソコン上で動くソフトウェアロボットで、定型作業をロボットに代行させるというものです。Excelのマクロでは対応できないような複数のアプリケーションにまたがる処理も可能で、パソコン上で完結する定型的な業務はRPAで対応できます。

たとえば、ExcelのマクロではExcelシート内の作業のみにしか対応できませんが、RPAであれば「Excelシートの特定のセルに入っているデータをブラウザで検索して、その型番に対応した価格をWordの請求書に貼り付ける」といった作業も可能にします。

RPAの導入には個別のシステム開発のように専門的な知識は必要ありません。情報システム部門ではなく、実務部門が主導で導入することも可能です。

ワークフローシステム

ワークフローは社内の決裁や承認などをオンラインで可能にするシステムです。このシステムを導入することで、稟議書や申請書などを印刷し、承認者となる上長や管理職、重役まで回って捺印をもらう手間がなくなります。その結果、迅速な稟議が可能となり、仮に管理職が出張であったとしてもスマートフォンやタブレット、パソコンで外出先から承認することが可能になります。

ワークフローシステムは大企業向けものだけでなく、ユーザ数に応じた月額料金を払うだけという手軽な中小企業向けのものもあります。業務改善のアイデアで紹介した権限の委譲とともに検討してみることで、より高い業務改善効果が得られるかもしれません。

SFA

SFAとはSales Force Automation(セールス・フォース・オートメーション)の略称です。営業活動における見込顧客の管理や商談の進捗状況、さらには営業の引き継ぎにも活用が可能なもので、特に営業支援の人員が不足している場合に有効なツールといえるでしょう。営業担当者同士のナレッジ共有にもつながり、「こんな営業トークが有効だった」といった横展開も考えることができます。

アイデアとツールを駆使して業務改善に役立てる

業務改善はアイデアとツールのどちらも重要な役割を果たすものです。改善の施策となるアイデアがあっても、それを実行するためのツールがなければ意味がありません。また、その逆も同じことがいえるでしょう。アイデアとツール、どちらもバランス良く活用しながら業務改善に役立てていきましょう。


参考:

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