BPOの進化形ともいわれるBPaaSとは何か? DXとの関連性も解説

BPOの進化形ともいわれるBPaaSとは何か? DXとの関連性も解説

生産性を向上するために、業務フローや業務プロセスの改革が求められています。従来、業務プロセスの改革といえばBPOの活用が代表的でしたが、システムの仕様によっては解決できない課題が存在していたことも事実です。

そこで現在注目されているのが、BPOの進化形ともいえる“BPaaS”です。今回は、BPaaSとは何か、従来のBPOとの違いやメリットなども含めて詳しく解説します。

BPaaSとは

BPaaS(ビーパース)とは、「Business Process as a Service」の略称で、日本語では「サービスとしてのビジネスプロセス」と直訳されます。しかし、これだけではBPaaSは何を指すものなのか分かりづらいと感じる方も多いでしょう。

BPaaSを一言で簡潔に表すとすれば、社内業務をITシステムに紐付け、業務とシステムをセットで社外へアウトソースすること。

なお、BPaaSはBPO(Business Process Outsourcing)とも関連が深いことから、まずはBPOについて理解しておく必要があります。

BPOとBPaaSの違い

BPOとは、企業経営に関わる業務の一部を外部へ委託(アウトソース)することです。例えば、人材採用に関わる業務や経理、情報システムの運用などが典型的な例といえるでしょう。

人手不足が深刻化しているなか、社内人材だけでは人手が確保できないケースや、スキルやノウハウを持ち合わせた人材がいないといった企業も少なくありません。そのような企業にとって、BPOは最適な手法といえます。

しかし一方で、現在多くの企業では、あらゆる業務がシステム化されITツールなしでは運用が難しい業務が多いことも事実です。特定の業務だけをアウトソースしようとしても、企業独自のシステムを運用している場合、スムーズに委託できない問題が生じるのです。

BPOは業務プロセスだけを外部へ委託するのに対し、BPaaSの場合はITシステムも含めて業務プロセスをアウトソースするという違いがあります。

BPaaSを取り入れるための課題

BPaaSの導入にあたっては、従来のような業務プロセスのままでは対応できない可能性もあります。典型的な課題として考えられるポイントを2つ紹介しましょう。

書類のやり取りが発生する業務

取引先との請求書のやり取りや、経費精算における精算書や領収証のやり取りを書類で運用している場合、BPaaSを導入したとしても書類の物理的な受け渡しにシステムが対応できない問題があります。

このような問題を解消しないままアウトソーシングすると、業務そのものがITシステムへと移行できず業務プロセスのみの委託となってしまいます。結果として従来型のBPOと変わらない運用となり、ビジネスに焦点を合わせたプロセス改善には結びつかないことになるでしょう。

物理的な書類の受け渡しが業務フローのなかに残っている場合には、アウトソーシングする前の段階でペーパーレス化を実現することが求められます。

オンプレミス型のシステム

すでに業務のなかでITシステムを導入し運用している場合でも、BPaaS型アウトソーシングへの移行にあたって問題が生じるケースがあります。なかでも典型的な事例として挙げられるのが、オンプレミス型のシステムです。

そもそもオンプレミス型システムとは、自社内でサーバーを運用することを前提としたシステムのこと。社内で利用することを想定しており、いわばクラウドシステムとは対照的なものといえるでしょう。

BPaaSでは業務プロセスを外部委託するため、社外のリモート環境でも利用できるシステムであることが前提となります。そのため、オンプレミス型システムのままではBPaaSに対応できない可能性があり、クラウドシステムへの移行が求められます。

BPaaSを取り入れるメリット

BPaaSを導入するためにはさまざまな課題をクリアする必要がありますが、そもそも「そこまでしてBPaaSを導入するメリットはあるのか?」と疑問に感じる方も多いことでしょう。

そこで、BPaaSを導入する具体的なメリットを2つ紹介します。

データの利活用

BPaaSを推進するにあたっては、クラウドシステムへ対応できるよう業務プロセスの見直し・改善も必要となります。現在当たり前のように行われている業務も、改めて見直してみるとムダや改善すべき点が出てくるでしょう。しかし、日々の業務に追われていると業務手順やプロセスを見直すタイミングも確保しにくいものです。

また、従来のBPOは業務に焦点を合わせるプロセスの効率化と標準化が重要視されてきましたが、BPaaSはビジネスの焦点を合わせたプロセスにデザインし、ビジネスのトランスフォームへと繋がるプロセスデータをビジネスに利活用していくことが最も重視した考え方となります。

もちろん、ITシステムを採用し、システム化することによって業務の一部が自動化・効率化されるといった効果も期待できるでしょう。それと同時に、業務プロセスそのものが見直されることで間接的なコストメリットの効果も期待できます。

戦略的なコーポレート機能への革新

デジタル化に伴い、コーポレート機能の役割や位置づけが変化しています。従前の業務に加え事業部門からの要求も高まる一方です。BPaaSにより期日に追われる業務プロセスから解放し、戦略的業務への集中と新たなスキルの獲得や、統制、コンプライアンスと不確実性への管理の要求に時間を使うことができます。

また、全社的にシステムの導入やクラウド移行が進められ、オフィス以外の場所でも遂行できる業務が増えると期待されます。その結果、組織全体のテレワーク推進につながり、働き方改革が加速。事業推進に付加価値を与えるコーポレート機能に変革することで、従業員の満足度が向上し人材の定着化につながることはもちろん、新たな人材も採用しやすくなるでしょう。

DXの「あるべき」進め方を実現するBPaaS

業務プロセスの自動化や効率化、ペーパーレス化、テレワークといったポイントは、DXとも深く関わる内容です。BPaaS型アウトソーシングをすることで、すぐにDXが実現されるとは限りません。しかし、DXを実現するためにプロセスのデジタル化は避けて通れない道であることも事実です。

デジタル化を着実に進めていくことで、新たなビジネスモデルに対応できるようになったり、組織構造や企業文化が変革していったりするきっかけにもなるでしょう。長年にわたって当たり前のように継続してきた業務プロセスを変えるとなると、困難に感じることも多いものです。ときには、一時的に業務へ支障が出てしまうこともあるかもしれません。

ただし、だからといって従来の業務プロセスを変えることなく継続していくと、DXへの取り組みが遅れ、将来的には企業としての競争力を失ってしまうことになります。

業務プロセスの改善には経験やノウハウが求められるため、専門的な人材がいない企業では実現へのハードルが高いものでした。しかし、BPaaS提供会社のなかには、業務プロセス改革の経験やノウハウがない企業に対しても、実務の運用とシステムをまとめて最適化できる(DX)支援サービスを用意しているところも存在します。

業務プロセスとシステムを一体として効率化を図るBPaaS

従来のBPOでは業務プロセスを改善できたとしても、システムの選定や移行までは対象とならないケースがほとんどでした。このため、自社でシステム選定や移行を検討しなければならず、そのようなノウハウが不足している企業にとっては限界がありました。

しかし、BPaaSを取り入れることで、業務プロセスとシステムを一体として考え大幅な業務効率化が可能となります。DXに向けてどのような取り組みをすればよいか具体的なことが分からない企業もあるかもしれませんが、BPaaSの導入によって業務コスト削減から、攻めのDXへ進化し、DXを加速させることができるでしょう。


参考:

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